劣等と劣等感。
言葉は似ていますが、似て非なるもの。
その意味を辞書で調べると
劣等:等級・程度などがふつうより劣っていること
劣等感:自分が他人よりも劣っているという【感情】
とのこと。
一言でいえば、
劣等は【事実】であり、劣等感は【感情】
これは、
学習・仕事・子育て・教育
全てにおいて共通することです。
「事実」の認知は非常に重要なことです。
ここで、
お子様のテスト結果が分かりやすいのかな?と思いますので一例として。
テスト結果を例とした劣等と劣等感
例えば、
社会90点。英語60点。
この点数の結果だけを見ると、
英語は確実に劣っていると思ってしまいますよね。
ただ、
順位で見てみると、
社会23位。英語35位。だとします。
(実際にそうだったのですが)
こうなると、正直、大差はなく、
このテストにおける英語は
平均点の低い【難しいテスト】であったことがわかります。
このとき、
大人の声掛け次第で子どもの成長は大きく変わります。
何?!この英語の点数!もっと勉強しなさい!

このように言われると、
私は英語ダメだし・・・

と
思うようになります。
しかし、
事実としては、
この子の出来が悪かったのではなく、英語のテスト内容が難しかっただけ。
事実を誤認して話しをすると成長が阻害される
事実としては劣っていないにもかかわらず、
劣等感を持ってしまうと、そこから避けるようになる。
避けるようになれば、できなくなる。
できなくなれば、やらなくなる。
負のループがはじまります。
これは
「劣等感が、本当の劣等に変わっていく」
ことにもなります。
また、
劣等感を与え続けるということは、
「自分はできるという認知」が削がれていきます。
すなわち、
自己効力感:「自分ならできる、うまくいく」という認知
を失っていくことになります。
自己効力感が低い大人になってしまうと、
何をやろうとしても、
「どうせできないから」
と
考える傾向が強く、
チャレンジ精神・行動力が乏しく、成長できません。
事実を捉え、成長点に目を向ける
ここで重要なことは、
まず
「事実を誤認しないこと」です。
ここで言えば、
英語のテスト難しかったんだね。
そんな中、できることをシッカリと解いたね

というような言葉かけの方が良いですね。
事実の捉え方を間違えると、判断を誤ることになります。
そして、
できた点を認め、できなかった点は改善方法を考えること。
仮に、
事実を正確に捉えることができないとしても、
できた点を認め、できなかった点の改善方法を考えるということが
子どもの成長に繋がってきます。
自己効力感・自己肯定感の向上が生きる力に
ロボット・AI時代に突入し、
大人として必要な能力に変化が出てきています。
今まで重要とされてきた
テスト結果等でわかる
「認知能力」
よりも
自己認識・意欲・忍耐力・社会性・自制心といった
「非認知能力」
の重要性が
各所で言われるようになりました。
自己効力感:「自分ならできる、上手くいく」という認知
自己肯定感:いかなるときでも自分という存在を肯定できる
は、
成長の過程で、削ぐものではなく、育むもの。
【事実を誤認して】劣等感を与える
ことがないように、
心掛けていきたいですね。
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子育て共育アドバイザー/学習塾塾長
野本一真