NHKの特集記事から、子どものスマホ利用を考えましょう。
大人は規制の動き。子どもは大反対。それはそうですよね。
やはり必要なのは、大人の関わり方。
本書
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に載せていることですが、
大人の関わり次第で 子どもの未来が変わる!
まさにその通りですね。
このブログにたどり着いている方は、
少なくても、
子どものスマホ利用に関して、危機感を持ち、どうにかしなければ!と思っている方であり、
意識の高い方だと思います。
NHKの特集記事
本書発刊後、1年後の特集記事
2025年4月23日のNHKの特集記事はこちら
「子どものSNS 海外はどうしてる?
中1息子がいる父が見た 子どものSNS禁止法 フロリダ」
先ずはこの記事を読んでみてください
この記事の見出しをベースにして、考察してみます。
日本より危機感が強いフロリダの保護者たち
この見出しの内容。以前のブログでも紹介しましたが、スマホ利用やSNS利用に関して、
海外では、法律で規制する動きが出てきていますね。
日本は何もないですが・・・。
と言っても、
日本が悪いということではなく、まだまだ法律で規制する国や地域は多いわけではありません。

記事にも書いてあるとおり「親の意識の差」というのは大きいと思います。
明らかになってきたSNSの子どもへの影響
この部分に関しては、
是非、特集記事を読んで頂ければと思います。
日本でも色々な研究がなされていますが、
子どもへの影響という面で参考になると思います。
・摂食障害
・うつとの関連性
・行動障害
・睡眠不足
・心臓血管の悪化
につながる可能性があるということの示唆
本書でも
睡眠不足について取り上げています。
「ABCD-STUDY」
国家的なプロジェクト
と紹介されていますが、
こういった取り組みは各国で行った方が良いでしょう。
ジェイソン・ナガタ博士の
「年齢で一律に禁止するのは合理的ではないと思います」
というコメントがあります。
これは、
この後に出てくる、子どもたちのコメントからも明らかでしょう。
法律には反対!デジタル・ネイティブの子どもたち
「14歳未満の子どもも許可されるべきだと思う。だって私は9歳だし、使える年齢まで長い間何もせずに待つのはつらいと思う」(9歳)

このセリフ。
単に使えるものが使えなくなることへの恐怖とも言えます。
こういったコメントを言っている場合、
上手く付き合うことは難しいと考えます。
「SNSは、悪いコンテンツばかりではありません。教育にもなります。14歳未満でも使っていいと思う。理にかなっています」(14歳)
このセリフを言っている子ども。
上記に比べると上手く活用しているのだと思います。
本書でも書いていますが、
スマホ使用をやめさせよう!ということではありません。
本書でも紹介している通り、
スマホはあくまでも「道具」
です。
包丁同様、上手く使えばこれほど便利なものはないですし、
扱い方を間違えば、凶器に代わります。
道具は使い方次第ですね。
そして、
適切な使い方を知らないのであれば、
それを教育するのが大人の役割
だと考えます。
「クレイジーだと思います。SNSは、私たちが情報を学び、物事を調べるのに本当によい場所だと思います。もうニュースを見ないし、私が知っている情報はSNSからです」(19歳)
このセリフ。
これはもっともらしいことを言っていますが、
一番危険ですね。
フィルターバブルとエコーチェンバーの餌食になっている
ことが
優に想像がつきます。
そして、
こういった子どもは、
餌食になっていることにすら気が付いていない。
だから、
たちが悪いと言えます。
これらの子どものインタビューコメント同様、
当塾においても、
スマホとの付き合い方が上手い生徒と依存している生徒に分かれます。
当然、
スマホとの付き合いが上手い生徒の方が成績が良いのは言うまでもありません。

リリコイさんの場合は、スマホ没収”を経て、親とオープンに話し合う関係ができており、法律をきっかけにSNSを使うルールについて親子で話すなど、よい方向に動いている。
しかしリリコイさんの周りでは、年齢を偽ったり、親が知らないスマホを手に入れて勝手に使ったりすることも普通に行われているらしい。
法律ができても、みなルールをくぐりぬけてしまうのではないかという。
まさにこの点ですね。
親主導でルールを作っても、
子どもの方が一枚も二枚も上手ですから、すり抜けます。

最近、
とすればよいという記事をよく見かけます。
この考え方自体は、全く悪いことではありません。
取り上げる事態になった際、
子どもも納得せざるを得ない理由になるからです。
ただ、
借りているから大人しく使う
と思いますか?
あなたが子どもだったとして、
最高のおもちゃが目の前にある中、そのように考えるでしょうか?
それができる子どもも確かにいます。
前述の2人目のコメントをしている子どものような場合。
残念ながら、そういった子どもが多いとは思えません。
少なくても、
私が子どもだった場合、このような達観したことは思えないでしょう(苦笑)
法律ができることで、実は親のほうが、子どもとのそれまでの関係を問われることになると言えるのではないだろうか。
これはまさにその通りですね。
安易に、誰かがなんとかしてくれ!
では済むことはないです。
本書のレビューとして送ってきてくれた方の中に
「親子の関係が必要なんですよね。それが難しいんです。」
と書いて頂いた方がいます。
正直、
何を【自分に甘いこと】を言っているのだろうか?!と思うところです。
目を背ける、誰かがなんとかしてくれる、子ども自身がなんとかするだろう、
それは難しいことです。
自分の子どもと向き合い、寄り添うことなく、
問題を解決しようとすることが土台無理なこと。
だからこそ、
再度になりますが、
本書帯の裏面にある
大人の関わり次第で 子どもの未来が変わる!
なわけです。
スマホ禁止にしてみたら…見えてきたこと
脱スマホを実際に行ったフロリダ州の学校
ティンバー・クリーク高等学校に関して。

この部分に関して、
・強制的に保管することは例外
・登校と同時に無理やり取り上げるわけではなく、生徒が自分で管理する点
そして、
それでもスマホを見てしまっている生徒には、
教師が根気よく語りかけ、しっかり了解してもらった上で、教室に置かれたカギ付きのケースにしまう。
その積み重ねで、実現にこぎつけたという。
教師たちは本当に根気よく頑張った結果と言えるでしょう。
ここで安直に考えた場合、
学校でやってくれるなら、親が頑張らなくていいじゃん!
と考える方も中にはいるかもしれません。
しかし、
また家に帰ればスマホは使えるので、完全な禁止とも違う。
あくまでも、
学校での使用を禁止した、ということであり、
保有を禁止したわけではありません。
当然、
彼ら・彼女らは、家に帰ればスマホを使用するでしょう。
ただ、
「スマホ禁止を聞いたときは、腹が立ちました。すごくバカげていると思いました。スマホルールの前は、学校でも1日7時間くらいSNSを使っていましたから。でも、やってみたらそれほど難しいことではないと気づきました。人と話すことにもっとオープンになったし、スマホなしになってもっと友達ができた気がします。以前のように、多くの人が喜んで話しかけてくれるように感じます」(16歳)
ここで重要なのは、
気付きを与えた
ということです。
スマホがなければコミュニケーションが取れないというわけではないということ。
フィルターバブル・エコーチェンバーもそうですが、
一つの考えに固執してしまうということはよく起きてしまうころです。
・こういった考え方がある
・こういった世界がある
・こういった人たちがいる
世間の狭い子どもたちに、世間の広さを示すのも大人の役割と言えるでしょうね。
このように書くと、何か壮大なことをしないといけない!と思いがちですが、
別に壮大なことがすべてではありません。
日々の食材や日用品の買い物だっていいんです。
中には、
「1パック9個のイチゴが3パックあります。イチゴは全部でいくつでしょう?」
という問題。
これが解けない小学生がいます。
なぜ解けないか?というと、1パックという言葉の意味が分からないから。
(当塾の)参考ブログ
いちごのパックがわからない?!算数ことばも普段の生活から
この生徒に
「一緒に買い物に行ったりしない?」
と聞くと、
「行くけど、ただ後ろを付いていくだけだから」
と言っていました。
確かに
今の親は共働きが多く、仕事も忙しく、大変ですよね。
私も経験してきました。
でも、
「1パックに9個入っているから、2パック買えば、
お母さん・お父さん・〇〇、一人6個ずつ食べられるね♪」
そんな会話でも十分価値あることです。
大人にとっては当たり前のこと、
ちょっとした会話の中でも、
子どもにとっては未知の世界であることは沢山あります。
大人自身が使用を考える
ティンバー・クリーク高校 ワスコ校長
「外出している家族が会話をしていないのを見ます。子どもたちはスマホに夢中です。親もスマホに夢中です。だから正直3400人の生徒とスマホを禁止にするのは、非常に困難だと思っていました。
本当にその通りだと思います。
一番身近な目の前の大人である親。
その親が夢中になっているのに、
子どもには、使用制限を設ける。
子どもの立場に立ってみてください。
正直、無理だと思います。
子どもが親のその姿を見て、
反面教師に出来るのであれば別ですが・・・・。
ですね。
社会が、家族が、大人が、
子どものスマホ利用の実態を「知る」ところから初めていきましょう。
我々大人は様々な経験をしてきた先駆者です。
何に、どうのように、使われているのか?がわかれば、対処は十分に可能です。
AIの進化スピードが速すぎる。子どもに「母国語力」と「論理的思考力」を
AIを使用している方であれば、優に想像がつくのですが、
AIの進化スピードが「日進月歩」では済んでいません。
有識者の間でも、
正直、2年後がわからない
と言われるほどです。
学力・学歴が不要とは言いません。
ただ、私が社会人になるころとは明らかに重要度が下がっています。
これからを担う大切な子どもには、
どのような時代になっても普遍的であり、
物事の本質でもある
「母国語力」と「論理的思考力」
を
身につけさせたいものです。
そして、
子どものテストの結果は、
なぜそのようになったのか?どうすればよかったのか?を考える機会であり、
自己肯定感・自己効力感を削ぐものではないように。
(当塾の)参考ブログ
学力結果だけ?!「非認知能力」の獲得が言われる時代に必要なこと
(当塾の)参考ブログ
AIと教育の近未来を考える@東京駅 子どもが身につけたい力
本書を読んで頂くことで、
子どもとスマホに関して、考えるキッカケになれば嬉しい限りです。
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子育て共育アドバイザー/学習塾塾長
野本一真