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AI時代の教育を考える@衆議院議員会館「多様性」「劣等感」

日本政治の中心、国会議事堂にほど近い
衆議院議員会館にて、

AI時代の教育を考えるという会があり、
私も参加致しました。

参加者は

・子ども家庭庁
・文部科学省
・厚生労働省
・経済産業省
・衆議院議員
・参議院議員
・大学教授
・教職員(学校)
・自治体教育委員会
・AI専門家
・民間企業

等々、

公教育・民間教育の枠を越え、
様々な立場の方々が意見を述べていました。

目次

場所は衆議院議員会館

日本政治の中心、国会議事堂

から
ほど近い場所にある

衆議院議員会館

今回の会は、
こちらの「国際会議室」で開かれました。

流石に厳重な警備の中、
通行許可証を持ち、中に入りました。

AI時代における子どもたちの教育を考える

ChatGPT4-o(及び様々なAI)の登場により、
これからの学びは変わる必要があります。

それぞれ立場の違いはあるものの、
会話の中のキーワードとして

個別最適化

という言葉を多く聞くことになりました。

また、

・人と違うことを考える
・一般論ではなく、尖った考え方

という
今までの評価方法では、
ともすると、
異端となっていた人の方が、

今までの評価方法の中で優秀と評価されてきた人材よりも、
活躍するのではないか?

という言葉も多く聞きました。

すなわち、

新しいアイデアを創造できる人材

と言えるかもしれません。

従来の教育は不要なのか?

特に、
アクティブラーニングが大きな話題となっていたときがそうでしたが、

どうしても新しいことに関して注目が集まりがちです。

生徒が能動的に考え、学びを得る

この
【考え】の部分。

考えるためには、
ベースとなる知識が必要となってきます。

例えば、
存在自体を知らなければ、
それは世の中に存在していないのと同じです。

知識も同じであり、
考える【要素】として、使うことができないでしょう。

また、
アイデアを生み出すときは、
現在あるものとあるものをMIXすることで生まれることも
たくさんあります。

さらに、
人は、この世に生を受けたときからやりたいことが決まるわけではなく、
様々な学びや経験の中から願望が生まれてくるものです。

やってもいないのに
「これは無理!」
という
中学生がよく言うセリフは、
まさに、なにも見えていない証拠です。

幅広く、世の中に色々なことがあるということを「知る」
そして、
その中から、やりたいと思うことを見出していく。

AI時代において、
従来の「暗記一辺倒」の学習は不要になるでしょう。

但し、何度も出していますが、
「暗記してテストで書ける力がエライ」のではない
というだけで、

・こういったことが世の中にある
・こういったことが世の中にあった

ということを【知る】必要はあります。

すなわち、
従来の学習が不要ということではなく、

現在の定期テストの結果で評価を決めるという方法とは
別の評価方法を構築していく必要があるのではないでしょうか。

これは、この会でも、
様々な立場の方が言っていることでもありました。

学習は大人になるための準備

これも生徒と話しをしているとよく出てくる言葉

「こんなのやっていても、どうせ使わないじゃないですかー!」

確かにその通りかもしれません。

私自身、様々な職場・職種を経験し、
次世代の子どものためと、それを支える親の力になろう!と
塾を開校したとき、

「2次方程式:解の公式」
を久しぶりに見た際、
「あぁ、こんなのあったなぁ」
でした。

では、本当に意味がなければ学習する必要がないのか?

もちろん、
興味のあることを学習した方がよいことは間違いなく、

今後は、苦手をどうにかするという点【ばかりに】着目するのではなく、
興味のあること・得意なことを伸ばしてく

という教育にシフトしていくでしょう。

ただ、
得意なこと・苦手なこと、好きなこと・嫌いなこと

それが何なのか?を知るには、
学習しなければ(やってみなければ)わかりません。

また、
学習をすることにより、
自分に適した学習方法を見出すこともできます。

社会に出て仕事をするときも、

仕事を
「知って」「覚えて」「使いこなす」

ということをしています。

これは、
学生時代の学習を通じて育まれるものでもあり、

社会に出るための準備

とも言えるのではないでしょうか。

多様性の時代。実は厳しい時代?

多様性という言葉をよく聞くようになったのではないか?と思います。

多様性。
実は、人によっては、いいことばかりではないのかもしれません。

普段の生活で多様性を感じるとき

ネット、スマホの普及により、
様々な場面で多様性を感じることができるようになりました。

普段の生活の中で感じやすいのは、

同じ趣味の人とのつながり
同じ考えを持つ人とのつながり

を持つことが容易になったということではないでしょうか。

ネットやスマホが十分に使えなかった頃は
(といってもそんなに昔ではないのですが・・・)

・自分の近くにいる人
・限られた情報網(TV・新聞・ラジオ等)

との接触が主でした。

それが、
一気に変わりましたね。

それまででは出会えないような人と出会うことが容易になった
ことも
感じられることのひとつではないでしょうか。

普段の生活という意味では、

ネットゲーム
ネット配信

この辺りで特に感じることができるでしょう。

気を付けたい「フィルターバブル」と「エコーチェンバー」

勿論、
良いことばかりではなく、
「フィルターバブル」や「エコーチェンバー」
の影響を受けることにもなります。

例えば、

「日本は衰退していると言われたりするけど、どうしたらいいと思う?」


中学生に聞いたとき、

「日本脱出」


答えた中学生がいました。

聞いた生徒は、
学習が苦手という生徒ではなかったのですが、

「社会科」「道徳」「探求」
等々
様々なことを学校で学んでいるのに、それが第一声か・・・。

影響力の大きいユーチューバーの影響を多分に受けているな・・・。


思ったところです。

「フィルターバブル」「エコーチェンバー」について、
詳しくはこちら

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多様性は自由?不自由?

【自らで】色々なものに触れ、感じ、経験し、得る。

普通に考えると「幸せ」と感じることができることでしょう。

ただ、同時に、

選択・考えなければならない
選びたくない・選べない、向き合うことのツラさ

を感じる人が増えているとも言えます。

わかりやすく言えば、

選択肢が3個ある中から1つを選ぶ

選択肢が100個ある中から1つを選ぶ

こういった状況になったとき、
あなたはどうしますか?

100個もあると、
比較検討するのも難しく、
もはや、何を選んでいいのかわからない。

選ぶことを放棄する

そういったこと【も】考えられませんか?

そうです。
自由というのは、
場合によっては不自由と感じることにもなります。

幸せと厳しさが表裏一体である


言えるかもしれません。

意欲・関心・好奇心を持つか否か

AI時代がもたらした

様々な可能性、多様性の時代において、

意欲・関心・好奇心が【強い】人には「追い風」

意欲・関心・好奇心が【ない・少ない】人には「向かい風」

とも
言えるでしょう。

単に、
今までの尺度による学習ができる子

ということだけではなく、

本来、人が持っているものを育むこと

今までよりも、
より必要になってくるのかもしれません。

そういった意味では、
以前書いたブログ

大人は子どもに対して、
劣等感を与える声掛けに気を付ける必要があると思っています。

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劣等感が劣等に変わっていき、自己効力感の減退につながる 劣等と劣等感。言葉は似ていますが、似て非なるもの。 その意味を辞書で調べると 劣等:等級・程度などがふつうより劣っていること劣等感:自分が他人よりも劣っている...

今回得た様々な立場の方の様々な考え方・学び
大いに参考になりました。

私自身も色々と話しをさせて頂き、
実に有意義な時間でした。

あなたは

すでに迎えているAI時代における教育をどのように考えますか?

勿論、大正解を持っている人がいない問い。

様々な立場で、
様々な意見交換が必要なときがきている
と言えますね。

ひとつの方法として、

・プログラミングで【論理的思考力を学ぶ】
・読書等で【母国語力を学ぶ】

これもAI時代に
子どもに獲得してもらいたいチカラの一つと言えます。

プログラミングを学ぶということ

https://life-design-branding.com/blog/study/programming-ronri-qureo

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子育て共育アドバイザー/学習塾塾長
野本一真

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この記事を書いた人

親と子が共に育つ「共育」。子育て共育アドバイザー、学習塾塾長。
 中学生のころ、所属していた部活が廃部になり帰宅部に。以来、帰宅ゲーム部として、時代が違えばプロゲーマーになるほどにゲームにのめり込む。また就職氷河期真っ只中にも関わらず、人生は一度しかない!と、上場企業・公務員・大学病院・医療グループ等、職種を変えた転職を行う。バイト時代を含めると10職種以上に及ぶ。その中で、高学歴ドロップアウトを幾度となく目の当たりにし「大人の関わり次第で人生が変わる」ことを痛感。学習塾(個別学習のセルモ)を開業。

 子どもの自己肯定感・自己効力感を育み、急激な変化の時代に「自らが主人公の自らの物語」を歩むことができる力の育成。すなわち、状況を受け入れた上でどうすれば良いか?を自らで考え・行動できる大人へと成長する一助となることを「指導理念」としている。
また、職種を変えた転職をしたため、子どもの言う「何がわからないのかわからない」を幾度となく経験。児童心理学・脳科学も活用し、子どもに寄り添った指導を行う。その子どもの成長には家庭環境が不可欠。

 親と子が共に育つ「共育」。子育て共育アドバイザーとして「親を対象とした親子関係の構築・改善相談」を行っている。近年は子どものスマホの保有率の増加と共にスマホ問題が子育ての問題となっており、その指導・改善方法を広く伝えることで、多くの「子育てで悩む親に何かひとつでも参考になることがあれば」と願い、

スマホの扱い、ルール作り、そのルールを維持するための親子関係構築方法を書いた
『子どものスマホで「困った!」を防ぐ スマホの与え方・使い方の教科書』を出版。

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