愛知県豊明市の通称?スマホ条例
「豊明市スマートフォン等の適正使用の推進に関する条例」案
に関して、色々な意見が飛んでいますね。
(基本ネガティブ意見)
今回は
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著書の立場から考察してみようと思います。
スマホは包丁と同じ便利な道具であるという前提
著書の「プロローグ」に書いていますが、
スマホは包丁と同じ便利な道具

です。
包丁は生活を豊かにするための必需品。
正しい使い方をすれば、とても便利な道具です。
しかし、
誤った使い方をすれば、
それは、人を殺める凶器にもなります。
これはスマホも同じです。
むしろ、スマホの方が万能性が高く、
ネットの充実、AIの急速な発展と共に、
【もはや願望器にも匹敵するほど】になってきました。
そう、結局使い方(与え方)次第なんです。
むやみに制限するものでもないですし、
だからといって、
無秩序に自由というものでもありません。
無秩序に自由という使い方をするからこそ、
特に子どもの使い方には様々な問題が起きています。
最近は、大人も・・・ですが。
考えるキッカケを持ってほしい(市長コメント)
色々なメディア報道を見ていると、
メディアの伝え方が誤解を招いているのは確かでしょうね。
私は別に、市長を擁護するつもりはないですが、
豊明市小浮正典市長のコメント・インタビュー動画を見ていると、
2時間超えても支障がなければ問題はない【1日の過ごし方を見つめ直してほしい】
とのこと。
また、
2時間という数字設定に関しては、
2時間に絶対してくださいという要請ではなく、
2時間を目安にして自分たちそれぞれの人が使い過ぎていないか、
2時間を目安に考え直してもらえればそれでOK。
とコメント。
更によく見てみると、
私たちとしては自分の生活とか睡眠時間や食事、色々な人とのコミュニケーションに支障がなければ
2時間が3~5時間になったところで全然問題ない。
あくまで【過剰使用を抑えて】いただきたい。
健康に過ごしていただきたい。それが私たちの想いです
とのこと。
今回、
罰則なし、仕事・勉強時間・通勤時間等含まず「余暇時間が対象」
として
言っているようですが、
メディアの伝え方をザっと見してしまうと、
「総使用時間が2時間!」という解釈に取ってしまう報道の仕方が多い傾向にあり、
実際、
コメント欄もそういった解釈をして書いているであろうコメントも多い。
また、
(5時間以上はザラで、16時間というのも普通に出てくる)
インタビューを受けた方のスマホの
「スクリーンタイム」や「デジタルウェルビーイング」の画面を表示させた後、
その方に意見を求めれば
「仕事や決済でも使うのに、2時間なんて無理ですね」とコメントするのは当たり前。
「余暇時間に対して」
と
言っている報道の仕方もありますが、
この言葉がなければ、
全く違う内容になり、勘違いを生むのも当たり前ですよね。
せめて、
「余暇時間のスマホ使用は2時間目安に」
というような
キャッチコピー・伝え方であれば、
勘違いも減るのかと思います。
また、
こういったニュースや動画をいくつか見ていると、
その個人の閲覧利益に対して、個別最適化が働きます。
結果、同じような情報に触れ続けることになり、
あたかもそれが総意であるような気になってしまう
「フィルターバブル現象」と「エコーチェンバー現象」の餌食になります。

目安がないと考えることができない・考えにくい
唐突に「さぁ!考えてください!」と言われて考えることができますか?
人は「具体的な何か」がないと、思考し難いものです。
例えば、ダイエットにしても、
「私は痩せる!」
だけで続けるのは、なかなか難しいもの。
だからこそ、
「いつまでに」「何kg痩せる」「〇〇のため」
といった
指針となる目標数字や目標とする言葉を設定するのではないでしょうか。
その方が圧倒的に行動がし易いですからね。
・・・。
ダイエットはそれがあっても難しいわけですが。
で
今回の条例案が
【目的は】考えるキッカケです
いうことであるならば、
考えやすくするために
数字を示すことは良いことだと思います。
ただ、問題点があり、それは次の段落で。
また、
この2時間の根拠ってなに?というのは誰もが思うところであり、
それが市長への取材発言に至るのかと思います。
そして、
「条例」と言ってしまうから、
更なるネガティブコメントが殺到していますが、
言っていること自体がメチャクチャではないと思います。
それぐらい、
【特に子どものスマホ使用に関して】無法地帯化している現状を
学習塾の現場でもよく見かけます。
一番の問題点「考え方」を示していない
考えるキッカケを持ってほしい!という想いは素晴らしいものだと思います。
まさに、その通りですから。
ただ、
その考えるキッカケを持ったとしても、
どのように考えればいいのか?が示されなければ、
まさに、
取り付く島もない
ですね。
考えるキッカケを与えたいのであれば、
その考え方もセットにするべきかと思います。
考え方の一つとして、
私の著書
「スマホの与え方・使い方の教科書」もあります。
子どもの夜の使用時間制限に関して
今回の条例では、
スマホの使用、小学生以下:午後9時まで、中学生以上の未成年:午後10時まで
という記載があります。
また、
報道のインタビューのなかには、
「寝るか食べるかスマホです」という小学生?中学生?のコメントもありました。(*_*;
ご家庭によっては、そんな子いるの?と思うかもしれませんが、
実際にいます。
私が実際に見た生徒の中には、
「スクリーンタイムの時間が22時間」という生徒がいました。
当然、
22時間見ているわけではなく、
寝落ちしているので、実際には19時間ぐらい。

19時間ぐらい・・・。もはや
スマホが体の一部と言っても過言ではないでしょう。
これは実際にある話しではありますが極端なので、
もう少しよくある話しにすると、
寝室にスマホを持ち込み深夜もスマホ(携帯ゲーム機)を使っている
というケースは多く見かけます。
一例として、
「スマホをリビングにおいて寝るというルール」を作っていた家庭。

こんなことがありました。
早速、保護者の方にお知らせすると、
「うちの子がそんなことをするわけがありません!」
と怒られましたが・・・。
子どもの睡眠不足は
身体の成長だけではなく、心の成長・安寧にも影響を与えます。
厚生労働省が発表している
睡眠指針「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」の
子ども版では、
子どもの寝室へ、いかにスマホ(デジタル機器)を持ち込ませないか
に
焦点が当たっているほどです。
可能であれば、
夜は物理的に預かるのが一番のルールと言えます。
子どもの承認欲求:大人の使い方によっては子育てが疎かになる
中学生の塾生の話し。
「お前は目標がないと動けないだろうから、偏差値50を目指して勉強しろ」
と
保護者の方に言われたという生徒がいました。
そして、
その言葉の通り頑張ったことにより、
偏差値50を超えて喜んでいました。
その生徒からすれば、当然
親に褒められると思って報告をします。
すると、
そのときの親の反応は
スマホをいじっていて、「んー、そう。」で終わった
とのこと。
この生徒は、
「なんなんですか!あの親は!」と憤慨。
まぁ、当然ですね。
まさに、
「コミュニケーションが円滑にいっていない」
という例ですね。
親は外で頑張って仕事をして家庭を守っています。
疲れることもイライラすることもあるでしょう。当たり前ですね。
とはいえ、
反抗期だったとしても、
子どもは親に認めてもらうことを欲している
ということは覚えておいて頂きたいと思う事例でした。

なお、
マズローの欲求5段階説によれば、
親が子どもに願う
自分が望む姿になりたいという「自己実現欲求」
は、
「承認欲求」よりも上の最上位欲求の位置づけです。
スマホ使用(ルール)の考え方を学ぶ方法
インタビューの中に、
「(制限されれば)隠れてやりますね」というコメントがありました。
確かにその通り!
特に子どもは、なんとか搔い潜ろうと必死です。
だからこそ、
スマホルールは与えるのではなく、親子一緒に考える
ことが重要になります。
こういったことに関して、
私もブログで色々と書いていますが、

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を読んでみてください。
きっと、
この記事を読んでいるあなたの役に立つと思います。(^^)
また、
本書を読んで頂くことで、
子どもとスマホに関して、考えるキッカケになれば嬉しい限りです。
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私立中学校保護者会での講演の様子

講演を聞いて頂いた保護者の方、様々に思うところがあったのがわかります。
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子育て共育アドバイザー/学習塾塾長
野本一真

